エベレストベースキャンプ紀行③

この記事では2020年3月1日から9日間かけて行ってきたEBC(エベレストベースキャンプ)トレッキングの様子を書いています。

 



2020年3月3日(火)

時に目覚ましをセットして起床!

夜中はずっと具合が悪くて本当に死ぬかと思いましたね。朝になってもまだ体調がパッとしなかったのですが、少し布団に潜っていたらマシになってきたので、カーテンを開けました。

すると・・・

名峰アマダブラムが、谷の向こうにそびえ立っていました。

めちゃくちゃカッコいい!!!

ダイニングに向かうと、先ほどの僕の目覚まし時計の音を聞いたのか宿のペンバがちょうど起きてきたので、昨夜から体調が思わしくないと伝え、大変申し訳なく思いながら朝食はゆで卵と紅茶だけお願いしました(笑)

外に出てみると、360度すばらしい景色が広がっていました。やっぱりこの地域はですね。

寒いのですぐにダイニングに戻り、出てきた紅茶を飲みながら、ゆで卵をしばらくホッカイロ代わりに使いました。

その後ご飯(といってもゆで卵2つですが)を食べていると、ようやく朝日がこの山間の集落まで届き、ダイニングに幻想的な光の線を落としました。

旅でのこういう時間、ほんとに好きです。⠀

いつの間にか体調不良のことはすっかり忘れていました。

ペンバの友達ドルマはまだ起きてきません。2人は僕が昨夜部屋に戻りベッドでひとり悶え出した後、23時くらいまでダイニングで盛り上がっていたそうです。⠀

なんかいいですよね、近所の幼なじみが家に遊びに来て、夜まで話せるのって。⠀

外で歯を磨いていると、宿のペンバが容器に入った木の枝に火をつけました。

聞くとチベット仏教の習慣で、神に祈りを捧げる意味合いがあるんだとか。確かにここに来るまででも、朝歩いていると登山道の傍で小さな煙が上がっている場面がありました。

こちらは初日に見た風景。

山の朝の澄んだ空気と木の燃えた匂いが混ざり合い、なんとも神秘的な感じがするものです。




部屋の荷物を整理して、ドルマを起こしてもらい集合写真を撮って、別れました。

真ん中が宿のペンバ、向かって右が友達のドルマです。

すばらしい山時間をありがとう!

天気も良いし、ソロ登山で別に急いでるわけでもないので、前日に訪れなかった高台のホテルエベレストビューまで登り直して、エベレストを眺めてみることにしました。

前日は夜にかけて雪が降ったり曇ったりしていたので気付きませんでしたが、改めてクンブ集落を振り返ると、山に囲まれたとても良い村でした。

しばらく歩いていると、自分の顔に違和感を覚えました。なんかピリピリするというか、変なのです。

原因はよく分かりませんが、ネックウォーマーか、宿で追加で借りた毛布の静電気でしょうか?そういうことにしておきます。

分岐から15分ほど登って、ホテルエベレストビューに着きました。

ここには日本を代表する登山家三浦雄一郎さんが、ホテルエベレストビューの最初の宿泊者でもある父親の三浦敬三さんに捧げたレリーフがあります。

ホテルを越えて、ヒマラヤ連峰が見渡せる開けた場所まで歩いていきました。

ナイスパノラマ!!

さて、ここに建つホテルはエベレストビューという名前で、文字通り世界最高峰のエベレストが見えるわけですが、どれがエベレストでしょう?

答えはこれです。

僕の山梨県の部屋から見える富士山のように、頭しか見えません(笑)

まあ頭しか見えなくても富士山は富士山、エベレストはエベレストです。とはいえまだまだベースキャンプまでの道のりは遠そうです。

エベレスト方面と反対側を見ると、たくさんのヤクが放牧されて、青空の下穏やかに草を食べていました。

嗚呼こんな開放的なところで山を見ながらチャイでも飲めたら最高なのになぁ・・・(笑)

写真を撮り、来た道を下りて、さらに歩みを進めていきます。



途中のティースタンドで、前日の朝ナムチェの宿で別れたスペイン人女性とガイドのネパール人男性の2人に再会しました。

2人は巨大ゴンパで有名なタンボチェから引き返して来て、もう下山に入っています。

そういえばこの辺でまた会いそうって昨日話したよね〜と軽く談話。

そうだ、今回僕が訪れた2つの集落のことを教えてもらったのはこのスペイン人女性でした。行ってきたけど穏やかで良かったよ!と伝えると、やっぱりそうでしょう!と、自分が行けなかったことを惜しみつつも喜んでいました。

彼女たちが今回行ってきたタンボチェのゴンパでは毎日16時から御勤めのセレモニーがあるそうで、登山客も中に入って見学ができるとのことです。また良いことを教えてもらった、さすが現地ガイドがいると情報量が違うよなぁと思いました。

お互いの登山の無事を祈って、別れました。

山の犬たちは時々、親切に道案内をしてくれます。いや登山者の行動食のおこぼれを貰いたいという意味では、子供たちと一緒かな(笑)

途中僕の左を追い越していったパワフルな西洋人男性がいて、人は人、登山は競技ではない!と頭では分かっているつもりなのに、少しムキになってる自分がいることに気が付きました。

あの西洋人に追いつけないとしても、同じ距離間は維持したい・・・

ただどう足掻いても体が全くといっていいほど付いてこなかったので、気を取り直して自分のペースでゆっくり歩き始めました( ;∀;)

昼過ぎにゴンパのあるタンボチェ(3,867m)に到着しました。高山病でぶっ倒れた翌日だからか、お腹が全然空いていなかったので、ロッジでのランチ休憩は取らずに進むことにしました。

この頃、例のように空が曇り始めましたが、本来であればここタンボチェからはエベレストがより近くに見えることでも知られています!

しばらくすると、軽アイゼンくらいあった方が本当は安心な、雪の坂道に差しかかりました。

滑らないようにヨロヨロと下りて行き、50メートルくらいで雪道を抜けました。

 

!!!

なんかデカい奴がいるぞ!!



現地の名前は分かりませんが、どうやら野生のヤギのようです。

こんな過酷なところで生きられるなんて本当に凄いなぁ・・・

吊り橋はいつも、自分が渡っている時は落ちませんようにと祈りながら渡ります。

いよいよ山深くなってきて、登山道から見える景色もだいぶ変わって来ました。

パンボチェという集落(3,985m)までやってきて、今日はここに宿泊することにしました。「エベレストビューロッジ」という宿に誘惑されてチェックインしました。

ポーター付きの西洋人客が3組いて、賑やかそうだったのも魅力です。自論ですが、宿泊客が多い方が、ストーブを使ってくれる確率が上がると思ったので。単純に寒くて人間が恋しくなったというのもあります(笑)

今日の朝登ったホテルエベレストビューとは名前が似ていますが、ここの宿は宿泊代300ルピー(約300円)でした。

※宿泊代はシーズナリティーや混み具合で変動するかと思います

ラッキーセブンの部屋の鍵を渡され、階段を上がってフロアのドアを開けると、廊下がとてつもなくう◯こ臭かった(下水処理の関係)のですが、う◯こ臭いので宿を変えますというわけにもいかないので、我慢しました。部屋の中のにおいは大丈夫でした。

宿の入り口には大きなヤクがいました。

燃料になる木々の少ないこの地域では、何が燃料として使われるかというと、乾かしたヤクの糞が主に使われます。

この宿では、こんな感じで薪のように積まれていました。環境にも良いですね。

夜は、ダイニングでみんなでストーブにあたりながら、トルコ人のおじさんが分けてくれたポップコーンをほおばりながら、本を読んだり落語を聴いたりしてゆっくり過ごしました。

ってこの日記を書きながら、また高山病の症状が少し出てきてるような・・・

なんとか、今日も寝て治りますように!

そうそうそれから、本当か嘘か、この地域によくある地名◯◯ボチェのボチェには、「深い」という意味があるらしいです。

“山深い”という意味かな、と理解しています。

以上、20時就寝!




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