かごめかごめ
かごのなかのとりは
いついつでやる
よあけのばんに
つるとかめがすべった
うしろのしょうめんだれ
作者:―
有名な話ですが、ここでは初めてなので紹介します。
かごめかごめという歌は、日本人であれば知らない人はいないほど全国的に有名なわらべ歌ですね。
子どもたちが、遊びながら口伝えに歌い継いできた歌です。
遊びのおさらい
①まず「鬼」役となる人を1人決める。
②「鬼」役は目をつむってしゃがむ。
③残りのみんなは立ったまま鬼を囲んで隣同士で手を繋ぐ。
➃かごめかごめを歌いながら鬼の周りを回る。
⑤『うしろのしょうめんだあれ』で歌が終わったらその場にしゃがむ。
⑥「鬼」役は自分の後ろにいるのが誰なのかを当てる。
このかごめかごめという歌が出来上がったのは江戸時代中期以降のようですが、実は作者はもちろん、発祥の地すら分かっていません。
しかしどういうわけか、江戸時代のある時を境に、ものすごい勢いで日本全国に広まっていったと言われています。
テレビもラジオもなく、交通の便も整っていなかった江戸時代に全国に広まったのですから、なかなかスゴイことだと思います。
ただ曲調と歌詞は強烈に頭に残るのですが、歌詞の意味はいまいちピンときませんよね・・・
有名な歌詞を冒頭にひらがなで載せましたが、地域ごとに全く異なります。
こんな感じで↓
- かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?
- かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀と滑った 後ろの正面だあれ?
- かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が統べった 後ろの正面だあれ?
- かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に つるつる滑った 鍋の鍋の底抜け 底抜いてたもれ
- かごめかごめ 籠の中の鳥は いつもかつもお鳴きゃぁる(お鳴きやる) 八日の晩に 鶴と亀が滑ったとさ、ひと山 ふた山 み山 越えて ヤイトを すえて やれ 熱つ や(お灸を据えて、やれ熱や)
- 籠目籠目 加護の中の鳥居は いついつ出会う 夜明けの番人 つるっと亀が滑った 後ろの少年だあれ?
- かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出会う 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だぁれ?
- かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出会う 夜明けの番人 鶴と亀が滑った 後ろの少年だあれ?
子どもたちが遊びながら自由に歌詞を変えて伝え広まっていった感じが、なんとなくお分かりいただけるかと思います。
途中、歌詞が他と全く違う上にやけに長いものがもありますが、ここは適当に流して読んでくださいね~(笑)
何も考えずに歌詞を読めば、
カゴの中に入れられた鳥はいつ出るのか。夜明け頃に鶴と亀が滑った。後ろにいるのは誰だろう。
みたいな意味になると思います。
ただ、この50文字程度の歌詞には、実は別の奥が深い意味が隠されているのではないか?という説がいくつも存在するのです。
例えば、
①監視環境から抜け出せない遊女説
むかしむかしあるところに、生活のために体を売らざるをえない女性がいました。女性は遊女として昼夜男性の相手をさせられ、自分はいつこの劣悪な環境から抜け出せるのだろうと嘆いていましたが、休む間もなく次を待つ男性の顔が見えた、というもの。
*かごのなかのとり=遊郭という環境から逃げられない遊女
*つるとかめがすべった=つるっと亀が滑った(男性なら意味が分かるかな笑)
②流産してしまった妊婦説
むかしむかしあるところに、嫁のことを大事な息子を奪ったように感じて酷く憎んでいる姑がいました。姑は嫁に子どもができないことも毎日のように責めました。ある日嫁が待望の子どもを授かった時、姑は嫁をいびる材料が一つなくなってしまうと考えたのです。常人には理解できない発想です。そして嫁が安産祈願で知られる神社に一人でお参りに行った帰りに、近くに隠れていた姑は、あろうことか長い神社の石段から嫁を突き落としたのです。嫁はなんとか一命をとりとめたましたが、せっかく授かった子どもは亡くなってしまいました。
*かごのなかのとり=おなかの中の胎児
③首をハネられる罪人説
むかしむかしあるところに、牢獄に入れられた一人の罪人がいました。自分はいつになったら放免してもらえるのかと考えていると、役人たちに牢屋を出るように言われました。表に出ると役人に斬首刑だということを告げられました。そして数名の役人に取り囲まれると、一瞬のうちに首を切られてしまいました。「後ろの正面だあれ」というのは、さてこの罪人の首を討つ役人は誰だ?とも、切られて地面に落ちた罪人の首が役人をジーッと見つめる気持ちとも取ることができます。
*かごめかごめ=(罪人を)囲め、囲め
*かごのなかのとり=牢獄に入れられていた罪人
*いついつでやる=いつ放免してもらえるのか?
・・・ほかにもむかしむかしでたくさんの説がありますが、こんなところが比較的有名なもの説ではないでしょうか。
そしてこの記事の最後にお話するのは、上で挙げた例ようにドロッとしたお話ではなく、もっとロマンのあるもの★
それは、かごめかごめの歌詞が、徳川家の埋蔵金のありかを示しているというものでございます。
かごめかごめ
かごのなかのとりは
いついつでやる
よあけのばんに
つるとかめがすべった
うしろのしょうめんだれ
かごめかごめの歌詞が埋蔵金のありかを示しているとは、にわかには信じがたいお話だと思いますが、歌詞を一行ずつ見ながら紐解いていきます。
かごめかごめ
かごめは漢字で書くと「籠目/篭目」となります。(Wikipedia参照)
日本のカゴは伝統的に竹を編んで作られてきたので、竹かんむりの漢字を使っているわけですね。「かごめかごめ」とは籠の目、つまりカゴの一つ一つの網目ということです。
創業124年の老舗「竹虎」さんの背負いかごを見てみましょう!
よく見ると、籠の一つ一つの網目が、こんな形をしているのがお分かりいただけますでしょうか。
いわゆる六芒星、ユダヤ教のダビデの星と同じですね。
かごめかごめとは、この形のことを表しているのです。
※ちなみに徳川家康は「風水」をとても気にして生きていた人物としても知られています。他にもおもしろい話があるので、いつかお話しますね。
かごのなかのとりは
つづいて「かごのなかのとりは」です。
漢字を当てると「籠の中の鳥」とも取れますが、歌なので「と~りいは~」つまり鳥居とも取れますね。
江戸幕府を開いたことで有名な徳川家康は死後に神格化されて、今は栃木県の日光市に祀られています。
その場所が、紅葉でも有名な日光東照宮です。
そして日光周辺の徳川家ゆかりの神社仏閣を線で結ぶと、地図上に六芒星(かごめ)が浮かびあがるというのです。
その中心にあたるのが、なななんと日光東照宮!!!
つまり「かごのなかのとり」とは、籠(六芒星)の中の鳥居、日光東照宮のことを指します。
いついつでやる
これは正直に、「いつ出てくるんだろう」という意味ですかね。
埋蔵金が???
よあけのばんに
漢字を当てると「夜明けの晩に」
夜明けなのに“晩”
いつのことを言っているのかがいまいち分かりませんが、この時間表現は一説によると、夜が明けて朝が来る瞬間のことではないか、とされています。
では夜が明けて朝が来る瞬間には何が起きるでしょうか?
晴れていれば朝日が差し込みますよね。
つるとかめがすべった
「鶴と亀がすべる」
日本では古くから「鶴は千年、亀は万年」と言って鶴×亀の組み合わせはとても縁起の良いものとされているはずですが、かごめかごめの歌詞では、この2つの動物が滑ってしまっています。
なんとなく不吉な感じがしますね・・・
日光東照宮では、三猿(見ざる・聞かざる・言わざる)を左手に見て、きらびやかな陽明門をくぐり、眠り猫を越えたその先に、奥宮つまり徳川家康が祀られている最も重要な場所があります。
※どなたでも参拝可能です。
こちらが日光東照宮HPより拝借した境内地図です。
左上に見える奥宮が家康公の祀られている場所ですが、そのお墓の前には、こんな像が置かれています。
鶴と、、、、
鶴の足元にズームイン!
亀!!!
いやちょっと待て、これ亀っぽいけど、本当に亀かなぁ???笑
僕はアマノジャク体質な人間なので、どうもこれが信じられません・・・
そこでこう考えてみます。
鶴と対称的に立っている奥の“ツボ”のようなモノ。
これ、水や食料を貯めておく甕(かめ)にも見えませんか?
まああくまで都市伝説なので、巷で話されているものと僕の話どちらを信じてもらってもいいのですが、いずれにしても、「つるとかめ」があるということにはしておいていただけると、話がスムーズです(笑)
「つるとかめがすべる」
すべるというのは、朝陽がものに当たって、影がシュッと後ろに伸びることを比喩的に表していると考えられます。
ここでは、「鶴とカメの像の影が伸びる方向」ということでしょう。
そこには家康公のお墓があり、その後ろには祠が立っています。
うしろのしょうめんだれ
いよいよ答え合わせ!とばかりに祠の後ろにまわってみると、そこにはこんなマークが描かれているそうです。
かごめ(六芒星)の上が欠けた意味深なマークです。
なんとなくこれ、上ではなくて下を指しているように感じますね。
そうなんです、この場所に徳川埋蔵金が眠っているのではないかと言われているんです。
この説はけっこう有力とされていますが、世界遺産でもあるという理由からか、今のところ掘り起こしが叶っていません。
ただ、金属探知機のようなものを地面に当て、“何かが埋まっている”ということは分かっているそうです。
つまりそこには、“掘り起こせない理由”があるのです。
最後になりますが、日光東照宮のアイコンに「眠り猫」と「三猿(見ざる・聞かざる・言わざる)」があります。
これは埋蔵金がこの場所に眠っていること、そしてそのありかを隠している「見てない・聞いてない・喋ってない」という意味にも取れないでしょうか?
結局、こんな不思議で魅惑的な歌を作った作者も、後ろの正面にいた人も、一体誰だったんでしょうね~?
実はこの話には、続きがあるのです。
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かごめかごめの歌について、
かごめかごめとあぶくたったは、セットで必ず歌うものだったのですが、そういう地域の方っているのでしょうか?
それを思うと、かごめかごめとあぶくたったははほとんど人喰いの歌じゃないかと…
子供の頃はなんとなく気付いてはいるものの分かってなくて、大人になった今では、怖くて歌えません。
コメントありがとうございます。
私事ですが、ちょうど昨日知人とカニバリズムの話をしていたので、驚きました(笑)
「あぶくたった」も、歌詞や音程がおどろおどろしいですね!この手の音楽は日本独自の文化なので、不気味であり、魅力的ですよね。