どうも!答えのない問題を考えるのが大好きなナオヒロ(@naohiroyoda)です。
前回の記事では満月を一つの例に取り、日本に古くからある“15=完全・完璧”という考え方について書かせていただきました。
⇒15という数字は完璧?何事も「完璧すぎない方がいい」という考え方
今回はそんな月が、本当は何者かが人工的に作り出したものなのではないか?というすこし不思議なお話をご紹介させていただきます!
月が人工物?どういうこと?と思う方もいると思いますが、空に浮かぶ月には実はたくさんの“謎”が隠されているのです。
アポロ11号による人類初の月面着陸が1969年7月、来年で半世紀が経とうとしている今、月について今一度思いを馳せる良いタイミングではないでしょうか?
もくじ
はじめに:月と太陽の形と性質
月は、満月だったり三日月だったりはたまたラグビーボールのような形だったり姿を変えますが、太陽は常に丸い形をしていますね(日食を除く)。また、月は見える日があったり見えない日があったりしますが、太陽は常に地球に昼と夜、そしてあたたかさをもたらしてくれています(白夜と極夜を除く)。
昔の人たちはそんな月の満ち欠けと太陽の動きを参考にして、太陰太陽暦という暦を長い時間かけて作り上げました。その結果、今日は何月何日か?を誰でも簡単に把握できるようになったわけです。ちなみに僕たちが今使っているカレンダーはグレゴリオ暦という太陽暦の一つで、地球が太陽の周りをまわる周期をもとに作られています。
今日が何月何日かわかるということ、ふだんあまり意識しませんが、これは本当にすごいことなんです!!その一方で、人類は良くも悪くも時間に縛られるようになったということもできます。
ほら、パートナーとの大事な記念日や仕事の大事なプレゼンの日にちを間違えてしまえば、大問題になりますからね!(笑)
生命にとって必要不可欠な月
さて、太陽は地球上の生物にとって必要不可欠だと簡単に分かりますが、実は月も同様に必要不可欠な存在ということをご存知でしょうか?秋にお月見ができなくなるのも大変なことですが、月がなければもっとずっとヤバい問題が次々と発生します(笑)
月が地球や生物に影響している例をいくつかお話します。
①潮の満ち引きと、波の発生への影響
潮の満ち引きには太陽の引力も大きく影響していますが、1番の要因は月の引力です。また、僕たちが夏に遊びに行く海の波は、海面を吹く風や地球の自転・公転だけではなく、実は月の引力のおかげで発生していると言っても過言ではありません。
海の高さは一定ではありません。1日2回、ゆるやかに高くなったり低くなったり、規則的に変わっています。これが潮の満ち引きで、おもに月の引力によっておきます。月に面した海はいつも満ち潮です。その反対側は月の引力の影響は弱いのですが、地球の自転の遠心力などにより、こちらも満ち潮になります。
ちなみに人間の生活に欠かせない水ですが、一体どれくらいの水分がこの地球上にあるのか考えたことがありますでしょうか?
世界の地質や天然資源などを調査しているアメリカ政府傘下の研究機関、アメリカ地質調査所(USGS)によると、地球上の全ての水を集めると直径1385kmの球になるということです。
と言われてもピンと来ないと思いますので、画像を載せます。
アメリカ大陸にちょこんと乗っかっている水色の球が「地球上の全ての水」ということです。
人体の約60-70%が水分で出来ていますが、これだけしかない水を僕たちは動物や植物と分け合って生きているなんて、ちょっと信じられないですね!
水を汚せば自分自身にも返ってくるので、大事に使いましょう!(笑)
②生命への影響(動植物)
特に海辺に生息する生物の中には、月の満ち欠けによる潮の満ち引きの影響を受けているものが多いと言います。
サンゴやシオマネキなどカニの仲間は、満月や新月の大潮に合わせて産卵することが科学的にも知られています。これは、その後引いていく波によって産んだ卵が沿岸から大きく離れ、浜に打ち上げられてしまうリスクを避けるためだと言われています。賢いですね!
また、植物の生育への月の影響はもちろん、農業に月の満ち欠けをとり入れている人もたくさんいます。
現在、農薬や化学肥料に過敏に反応するアレルギーの人が増加していることや、環境への配慮などから、オーガニック製品が注目されてきています。
オーガニックな手法は、ドイツやイギリス、北欧などではごく一般的な考え方なのですが、日本のオーガニック意識はかなり低いと言われています。というのも高温多湿の日本では、ヨーロッパに比べると農作物の病気や害虫が発生しやすく、なかなか難しい課題の一つなのです。
そういえば、となりのトトロの1シーンでは、月の見える夜に発芽させていましたね!
③生命への影響(人)
なんと満月をみた悟空が
怪物猿に大変身!!
これには作者もビビった!!!
しーらない
しーらないっと!漫画「ドラゴンボール」第2巻より引用
なんと作者である鳥山明もビビっちゃったというドラゴンボールのこのシーンは知っている方も多いと思いますが、僕たち人間も月の影響を受けていると言われています!
例えば女性の生理が「月経」と呼ばれるように、月が持つバイオリズムに大きな影響を受けていることははるか昔から知られていました。
またもう一つおもしろい話を挙げると、イギリス南部サセックス州警察は2007年6月に、満月の日にはパトロールする警察官を増員すべきだという興味深い見解を発表をして、一時話題になりました。同警察広報によると、ブライトンやホーブといった海沿いの都市で、満月の日には泥酔者が特に攻撃的になるという事実を発見したのだそうです。
人体の約60-70%が水分で出来ていることからも、海の波の原理と同じように、月の引力が人間の心理に影響を与えているとも考えられますが、科学的な根拠は今のところありません。
月がないと地球は不安定な星になる
①~③で挙げた例くらいでは、月が無くてもまだなんとかなるんじゃね?と思うかもしれません(笑)
別に海から波がなくなっても遊びに行かなければいいし、海に波がなければサンゴも産んだ卵を浜に打ち上げられなくて済むのでむしろ良いような気もします。満月の夜が無くなれば世の中から犯罪も減るかもしれませんしね!
しかし、月が無くなるとそれ以上に大きな問題が発生するのです。
24時間365日ではなくなる
24時間365日。この常識は実は月の引力のおかげで地球の回転が鈍くなっているからなんです!もしも月が無かったら地球の回転はスピードアップして、1日は約8時間、1年は約1095日になってしまうと言われています。
立っていられる自信がないというか、なんか酔いそうですよね。
地上には常に時速300kmの突風が吹く
地球の自転がスピードアップすると、地上には300kmの風が常に吹くことになります。これにより木々や植物は葉っぱを付けておくことができず、世の中は砂漠化していきます。地球から緑が消えるということはつまり人間は呼吸困難に陥ることにもなります。
地球は自転軸23.4度が保てなくなる
地球は月の引力の影響もあって、23.4度という絶妙な自転軸の傾きを常にキープすることが出来ています。この事実すらも奇跡としか言いようがないのですが、日本に四季があるのも、この傾きのおかげなんです!
月が無くなり自転軸が変わってしまうとどうなるか?
例えば角度が金星のように0度になってしまうと、地球からは季節という概念がなくなり常に同じ気候になります。
また2回にわたる天体の衝突を受けた天王星のように98度まで傾いてしまうと、何か月~何年も蒸し暑い昼が続き、その後同じだけの期間極寒の夜が続くと言われています。
月の謎
月が無くても地球は痛くもかゆくもないかもしれませんが、少なくとも地球上の生命にとっては月が無くてはならない存在ということを知っていただけたのではないでしょうか。
ここからはいよいよ、そんな月が実は人工物なのではないかといわれるようになったいくつかの謎をお話していきます。
謎①:太陽と同じ大きさに見える月
月と太陽はどちらも同じ方角(東)から昇り同じ方角(西)に沈むことから、よく比較して考えられていました。上の写真のように、外国の古いデザインにこういったイラストがよく見られるのは、その良い例かもしれません。
ただ、月と太陽がよく比較される理由は、
①もともと2つを参考にして暦を作ったから
②どちらも同じ方角(東)から昇り、同じ方角(西)に沈むから
なにもこの2つだけではありません。
月と太陽が地球から見て同じくらいのサイズに見えるからだといえます。
今でさえ、地動説(地球が太陽の周りをまわっている)が当たり前で誰も異論はないと思いますが、昔のヨーロッパの人は、聖書をもとに天動説(地球こそが宇宙の中心にあり、太陽や月、そのほかの星全てが地球の周りをまわっている)を信じていました。
ちなみに日本で地動説が公になったのは安永三年(1774)のことで、長崎県にいた通訳、本木良永が『天地二球用法』を発表して紹介した時です。日本人は何の疑問も持たず受け入れられたと言われていますが、聖書を持たない日本人にとっては、別に地球が動いていても太陽が動いていても、どっちでも良かったのです(笑)
それでは改めて月と太陽のサイズを考えてみましょう。
●月の直径 ・・・3,474km(地球の約4分の1)
●太陽の直径・・・1,392,000km(地球の約109倍)
⇒太陽のサイズは、月のおよそ400倍
●地球から月までの距離・・・約38万km
●地球から太陽までの距離・・・約1億5000万Km
⇒地球から太陽までの距離は、地球から月までのおよそ400倍
もうお分かりですね。
太陽は月の400倍も大きいのに、地球から月までの距離の400倍も遠いため、
偶然おなじくらいのサイズに見えているだけということです。
意味は分かるのですが、偶然だと信じられるでしょうか?
謎②:ずっと地球に同じ面だけを見せている月
人々は天動説・地動説が話されるよりもはるか昔から、おもしろい事実に気づいていました。それは月が常に同じ面を地球に向けているということです。
今でも、月自体も自転しているはずなのにどういうことだろう?と感じるかもしれません。
どうしてこのようになっているかと言うと、月自体が自転していて、その自転の周期と地球を周りをグルっと1周する公転の周期が、ピッタリ一致しているからです。
月は、この自転周期と公転周期が、どちらも27日(正確には27日7時間43.2分)なため、地球のまわりを一周するあいだに月自身も一回転することで、地球からは常に同じ面しか見ることができないのです。
その結果、月がどこにあっても地球からはあの見慣れた「ウサギの餅つき」の面しか見えず、決して裏側を目にすることはできないのです。
ちなみに日本では満月の模様は「ウサギの餅つき」と考えられていますが、海外ではウサギの餅つきではありません。
●東ヨーロッパ「横向きの女性」
●南ヨーロッパ「大きなハサミを持ったカニ」
●北ヨーロッパ「本を読むおばあさん」
●カナダインディアン「バケツを運ぶ少女」
●アラビア「吠えているライオン」
というように、各国で考え方が違います。
「ウサギの餅つき」はいかにも農耕民族の日本人ならではの発想で、僕はけっこう好きです。
これを踏まえて、この記事冒頭の画像の2つの矛盾にお気付きいただけますでしょうか?
太陽が奥にあるにも関わらず地球と月のこちらからの面が明るく、月が「ウサギの餅つき」の面を地球に向けていないのです!
合成画像にも関わらず全く夢がないことを言って申し訳ございません(笑)
ずーっとこっちを見ているとも思える月。
すこし、不気味な感じがしてきませんか?
謎③:地球の衛星としては大きすぎる月
地球の直径は12756km、月の直径は3467kmなので、月の直径は地球の直径の4分の1程度ということになります。
毎日見ていると月のサイズ感は当たり前のように思われますが、木星や土星のようにかなり大きな惑星の周りをまわる衛星の直径は、その惑星に比べて数百分の一程度なのです。
月が地球の衛星としては大きすぎ、かつ太陽と同じくらいの大きさに見えることから、皆既日食・皆既月食が起こっているというのは、どれほど奇跡に近いことなのでしょうね。
おわりに
長文にも関わらずここまでお読みいただきありがとうございます!
みなさんはこの月の謎、どのようにお考えになりますか?
ここで少しだけ種明かしのような補足をしておきますね(笑)
【補足①:太陽と同じ大きさに見えること】
月が太陽と同じくらいのサイズに見えるのは確かに“奇跡に近い”のですが、月は毎年約4cmずつ地球から遠ざかっているので、宇宙の歴史の中でこのサイズに見えているのは実は“今だけ”だと言われています。もっと月が大きく見えた過去があり、これからさらに小さくなっていくことが分かっています。太陽が燃え尽きる日と、月が離れていって地球がバランスを崩す日、はたしてどちらが先なのでしょうか・・・
【補足②:ずっと地球に同じ面だけを見せていること】
地球の引力によって月はすこし楕円形に歪んでいます。ピッタリと地球に同じ方向を向けておいた方が、月と地球お互いにとって無駄なエネルギーを使わなくて済むため、最終的にこのような状態に落ち着いていると言われています。
【補足③:地球の衛星としては大きすぎること】
アポロ計画で持ち帰った月の試料の分析と力学計算などの結果、月の起源は、火星くらいのサイズの天体がかつて地球に衝突して、その天体の表面が飛び散って再凝集したことで衛星になったと考えられています。太陽系の惑星にこのようなサイズの衛星は見られませんが、科学的にはシミュレーションで不可能ではないということが分かっています。
補足を読むことで少しロマンに欠けてしまうかもしれませんが、いずれにしても今ここに生きていることは奇跡に近いということは間違いないでしょう。一度きりの人生、もう少し丁寧に生きようと思うばかりです。
最後に僕の好きな星のサイズ感の分かる動画を載せて、この記事を終えます。
1つ目が月、5つ目が地球です。
[…] この記事もおすすめ!月は本当は人工物だった?考えれば今夜眠れなくなるかもしれない話 […]