※前回の記事はコチラ「ルーツの旅」第7話です
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第二次世界大戦で中国に出兵して戦死した直衛さんでしたが、戦地から送られてきた遺品の中にこんなものがありました。
あまり達筆とは言えないような・・・?(笑)
祖父に聞くところによると、この書は中国に直衛さんが出兵していた際に現地の町長さんのような方にプレゼントされたもののようです。
それはそれは、大変失礼を致しましたー!!!
漢詩に詳しい知人に聞くと、この詩は「楓橋夜泊(ふうきょうやはく)」というわりと有名な詩のようで、インターネットでも読み方と意味を調べることが出来ました。
【読み方】
月落ち烏啼いて 霜天に満つ
江楓漁火 愁眠に対す
姑蘇城外 寒山寺
夜半の鐘声 客船に到る(つきおちからすないて しもてんにみつ
こうふうぎょか しゅうみんにたいす
こそじょうがい かんざんじ
やはんのしょうせい かくせんにいたる)
【意味】
月は沈み夜烏(よがらす)が啼き、霜の降りる気配が天に満ち満ちて、冷え込んできた。川岸の楓(かえで)の木々の間には漁火(いさりび)が点々として、旅愁のためにうつらうつらとして眠れない私の目に映る。
もう夜明けも近いのかなと思っているところへ、姑蘇城外の寒山寺から打ちだされる夜半を告げる鐘の音が、私の乗っている旅の船にまで響いて来たのであった。
詩の作者は8世紀頃の中国の政治家であり詩人の張継(ちょうけい)という人物で、地方官への赴任を命じられた時の寂しい気持ちを詠んだものとされています。
この詩を直衛さんにプレゼントした町長さんが当時何を見て、何を思ったのかは分かりませんが、いずれにしても詩を書いて人にプレゼントするという行為は素敵だなぁと思います。
この人が町長さんなのでしょうか?
なにかの会長さんじゃない?(笑)というツッコミはさておき、僕には読解できません・・・
もし読者の皆さんの中で解読できる方がいれば、ぜひメッセージください。
ちなみにこの詩に出てくる寒山寺は蘇州(上海の近く)に今でもある臨済宗のお寺で、むかし寒山・拾得(かんざん・じっとく)という2人の少し風変わりな僧侶がいたことでも知られています。
おどろおどろしい雰囲気が漂っています。少し会ってみたいですね(笑)
さて、我が家の菩提寺にある直衛さんの戦没慰霊碑の碑文をもう一度見てみます。
昭和十九年五月二十五日
中華民國河南省
洛陽県東家ニ於テ戦死
三十才
洛陽県東家
これ、けっこう場所が特定されている気がしますね。
なんとなくのイメージでは、僕の住んでいる「山梨県南アルプス市」くらいまでは分かっているような・・・
時代は本当に進みました。
調べれば、ものの数秒で分かってしまうんですから。
※ちなみにGoogleの機能は本当に便利で人類の生活水準を上げてくれていますが、いずれ有料化されるというすこし怖い話を最近よく聞きます・・・(笑)
地図を見る限り山ばかりですが、おそらくこの東家(ドンジャ)という場所は町か村くらいの行政単位だと推測されます。
戦時中、こんなところにまで日本人が行っていたわけですから、なかなか感心しますよね。
皆さま、身内の人間しか興味がないような依田直大の自己満企画「ルーツの旅」ですが、ここまで少しばかりはお楽しみいただけましたでしょうか。
突然ですが、ひとまず今回の記事で区切りとさせていただきます。
所さんの「ダーツの旅」のようにダーツは投げませんでしたが、一つの場所にダーツが刺さりました。
「東家」
第1話でお伝えした通り、この企画は“文面だけではなく、よりリアルなもの”にするつもりです。
ということで、僕はこの場所に実際に行ってこようと思っています。
中国語全く話せませんけどね~(笑)
時期が来ましたらまたブログでご報告させていただきたいと思いますので、その時はよろしくお願い致します。
長期にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました!<(_ _)>謝謝
[…] 【連載】「ルーツの旅⑧」 | NAOHIRO YODA 2018年12月6日 […]
コメント失礼いたします。
私も、山梨県に住む依田で32歳の♂です。
私も、自分のルーツを知りたく以前調べたことがあります。
そこで、直大さんの家系に少し似ているところがありました。
それは、私の家系は依田○直シバリをしていたことです。
残念ながら、私の家系の依田○直シバリは祖父の代で終わってしまっていますが、直大さんの家系と繋がりのあるのかもしれませんね。
コメントありがとうございます!
今は記録を正確に遺す手段が増えましたが、昔は紙以外への記録が難しいので、ルーツを辿るのもなかなか苦労しますよね。
「依田会」というマニアックなコミュニティーもありますし、元を辿ればきっとどこかで繋がっているのでしょうね(^_^)
○直シバリ、個人的にとても興味深いです(笑)
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