【話ネタ】中国での「千と千尋の神隠し」劇場公開を前にして

宮崎駿監督のアニメ映画『千と千尋の神隠し』と言えば、2001年の劇場公開以来世界中で人気を博し、日本人で知らない人はいない作品ではないかと思います。

もちろん赤ちゃんやお年寄りなどを除いて(笑)

 

そんな中、先日興味深いニュースがありましたね。

「『千と千尋の神隠し』が18年の月日を経て、中国で初めて劇場公開される」

 

正直な感想としては、あれ、まだ中国で公開されていなかったんだー

なのですが、中国では政府が海外の映像作品やマンガなどの公開を制限しているため、こういうことは実はあるあるです。

 

以前僕が中国に行った際も、

人気マンガ『進撃の巨人』について、当初第1巻は中国国内で閲覧できていたにも関わらず、途中から政府による規制がかかり閲覧できなくなった

と中国人の青年が残念そうに話していました。(今は分かりませんが)

 

続きが気になるのに見れないというのも酷ですが、きっといろいろ裏技というか、逃げ道はあるのでしょうね(笑)

 




 

話は戻り、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』は、6月21日(金)から中国で劇場公開されます。

公開に合わせて、公式ウェイボーで(TwitterとFacebookの要素を併せ持ったような中国のSNS)で新作ポスターが発表されました。

 

1枚目がコチラ

(公式ウェイボーより)

 

見たことのある方はどこの場面かお分かりのことと思いますが、なんとも幻想的なデザインですね~

ポスターには中国語で “不要回头, 一直向前”

「後ろを振り向かずに、前に進みなさい」と書かれています。

 

 

そしてもう1枚のポスターがコチラ

(公式ウェイボーより)

コチラは中国語で“別忘了自己”

「自分を見失わないで」と書かれています。

ちなみにデザインは黄海さんという中国人デザイナーが手掛けたのですが、なんてすばらしいポスターデザインなの!!♡と日本でも反響を呼んでいるようです。

 

これらのキャッチコピー

「後ろを振り向かずに前に進みなさい」

「自分を見失わないで」

どちらも作品における重要で力強いメッセージですよね。

 




ここからが本題なのですが、

僕が学生の頃に受講していたとある授業の一コマで、僕の認識が間違っていなければ、教授がこんなことを言っていました。

 

『千と千尋の神隠し』は、“現代社会を揶揄したアニメ―ション”である。

僕はこの話が大大大好きです!

 

そもそもジブリアニメはメッセージ性が強い作品ばかりで、都市伝説も付きものかと思います。

コチラの記事では『魔女の宅急便』について書いてみました。(クロネコヤマトの話ではないやつ。笑)

【怖い話】ジブリアニメ「魔女の宅急便」に登場する謎の女の子

 

『千と千尋の神隠し』については、創氏改名が題材ではないかと以前聞いたこともありましたが、どうも個人的には疑問がありました。

その点、現代社会揶揄説はかなり納得できるのです。

 




 

どういうことか、箇条書きで書いていきます。

 

●千尋=本来の人間の自己の姿

 

●湯屋=現代社会(資本主義)そのもの

 

●湯婆婆=集団の中で実権を握る存在(社長など)

 

●千=本来の人間の自己の姿を奪われた存在

 

●千尋はある時を境に湯屋に迷い込み、働かなければ豚にされてしまうことになる
 ⇒現代社会では、働かなければ生きていけないどころか、豚同然の生活を強いられるというメッセージ

 

●湯屋の番台さんなど男衆はカエル、女衆はナメクジの姿をしている
 ⇒現代社会の中で、いつの間にか本来の「自己」意識がなくなってしまった哀れな人間の姿

 

一部のみですが、こんな感じのことが読み取れるのではないかと思います。

つまり、多くの人が資本主義社会の中で、いつの間にか本来の自分自身を忘れてしまっているということです。

また職場では本名(千尋)ではなく、役職名などいろいろな別名(千)で呼ばれているという方もいるのではないでしょうか?

 

しかし湯婆婆だって、湯屋で実験を握ってはいるものの、双子のお姉さんである銭婆を見ればわかるように、かつては一人のピュアな人間だったはずなのです。

 




 

「自分を見失わないで」

本来の自己に気付くことが出来たのであれば、「後ろを振り向かずに前に進みなさい」

 

これらは、ひょっとすると資本主義社会に相反したメッセージと言えるのかもしれませんね。

 

そしておもしろいことに、今回18年の月日を経て公開される中国は、ご存知の通り社会主義国家であること”を明言しています。

もちろん興行収入などのメリットはあるとはいえ、中国で『千と千尋の神隠し』の公開が決まった理由の一つには、資本主義社会の揶揄であるメッセージ性がようやく理解されたからではないか、と僕は思わないでもありません。

 

 

信じるか信じないかは・・・(^_^)

 

いずれにしても、中国での公開後の反応も気になるところです。

その他、気付いたことや思い出したことがあったら、書き足したいと思います!

ほなまた~!

 







コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください