なんとなくこの飲食物が好きとか、このキャラクターがお気に入りとか、
なんとなくいつも行きたくなるとか、つい買いたくなっちゃったとか・・・
日常生活で当たり前のように抱くこんな感覚が、実は誰かによって意図的にデザインされたものだったとしたら、あなたはどう思いますか?
自分の意思で選択や決定したと思っていたものが、実はそうするように何者かによって仕向けられていたのだとしたら。
それもあなたが全く意識していないうちに。
はじめに
僕たちの行動や感情はテレビやネットなど様々な情報メディアによってある程度左右されているということは、なんとなく皆さんご存知のことと思います。
例えばテレビCMでよく流れていて、安心できるからつい買っちゃった!みたいなやつです。
僕で言うと、ガッキーがCMやってるから「お~い お茶」じゃなくて「十六茶」買おうみたいな(笑)
広告を知覚する(目にする、耳にするetc.)ことで良いモノや価値に出会えることもあるので、決して悪いと言いたいのではありません。ただ、中学生の時の授業で習ったことを思い出す限り、その情報が本当に正しいのか誤っているのかを判断する能力、いわゆる“情報リテラシー”がいつの時代も重要らしいです。
“ガッキーが可愛いから十六茶を買った”
これはちょっと「洗脳」に近い分野だと思ってみたりもしますが、買うか買わないかは僕の判断に委ねられている(と僕が考えている)という点で、洗脳ではなく「影響」ですかね。
そして皆さんはサブリミナル効果という言葉をどこかで耳にしたことがあるでしょうか?
今回は、捉え方によっては恐ろしくも感じられる、サブリミナル効果という手法についてのお話です。
サブリミナル効果とは
そもそもサブリミナル効果とは何か?
Wikipediaの説明によると下記の通りです。
サブリミナル効果(サブリミナルこうか)とは、意識と潜在意識の境界領域より下に刺激を与えることで表れるとされている効果のことをいう。
サブリミナルとは「潜在意識の」という意味の言葉である。境界領域下の刺激はサブリミナル刺激もしくはサブリミナル・メッセージと呼ばれている。
ここでいう潜在意識というのは、人間の心の奥深~くにある意識のことで、自覚されることなく行動や考え方に影響を及ぼすと言われています。
そして、その多くは性的なメッセージ(例外あり)としてあらゆるものに潜んでいます。
ちょっとこの説明だけではピンとこないと思いますので、ここから具体例をいくつか挙げていきたいと思います。
サブリミナル効果が使われたとされる事例紹介
マクドナルドの「マックシェイク」
まずは有名なマクドナルドの事例から。
先日マクドナルドは、地球環境保護に対する意識の高まりを受け、プラスチック製ストローの提供を2025年までに世界中の全店舗で廃止すると発表して話題になりました。
そんなストローが使われている商品の一つにマックシェイクというものがありますが、一度は飲んだことがあるという方も多いのではないでしょうか?
実はこの大人気商品のマックシェイク、単に味が濃厚で美味しいとか広告効果とか、そういう理由だけではない“売れるための工夫”が施されていると言われています。
(マクドナルド公式HPより引用)
マックシェイクに使用されているストローを思い出してみてください。一般的なストローよりも少し太く作られていることにお気づきでしょうか?
実はこのストローの直径、ほとんどの人が一度は口にしたことのあるモノと同じサイズに設計されています。
それは何かと言うと、
女性の乳頭です。
え、何へんなこと言ってんの!?(笑)
と思う方も多いかもしれませんが、これは事実です。
平均的な女性の乳頭のサイズと同じにすることで、口に加えた人が本能的に安心感を抱くという心理的な仕組みなのです。
さらに言うと、吸ってもなかなかシェイクが出てこないのも、赤ちゃんが母乳を吸う力となるべく近くなるように、シェイクの粘度(粘り気)までもが調整されています。
ただし時間が経つと溶け始めてシェイクがサラサラになってしまうので、あくまでもカウンターで提供された直後ということでしょうね(笑)
乳頭と同じサイズだとか母乳を吸うのと同じ力だとか、そんなことを考えてマックシェイクを購入する人はほとんどいないと思いますが、本能的に感じる安心感から人がつい飲みたくなってしまうという心理を、マクドナルドは試行錯誤して計算し尽くしているのです。
マクドナルドは他にも多くの心理的な仕掛けを各所に施しています。
僕が知っているだけでもこんな感じ。
●Mのロゴカラーは刺激や食欲、空腹感を引き起こす赤、そして幸福と親愛感を感じさせる黄色を使っている。
●Mのロゴは「母なるマクドナルドの胸」と題され、女性の胸のように「M」の文字に丸みを持たせている。(AOL News)
●人が長居するのを防ぎ店舗の回転率を上げるために、店内の椅子は固いものが多い。
Mの文字を女性の胸のように丸くしているということは、エリック・シュローサー著の『Fast Food Nation: The Dark Side of the All-American Meal』(ファーストフードが世界を食いつくす)という書籍でも紹介されています。
色々な理由があって人々はマクドナルドに行ってしてしまうのです。
なかなか興味深いですよね!
スターバックスのロゴマーク
続いてこちらも世界中に根強いファンを抱えるコーヒーチェーン、スターバックス。
皆さんの中でもつい足を運んでしまうという方は多いのではないでしょうか?
実はこのスタバの有名な緑色のロゴも、サブリミナル効果を狙っていると言われています。
スタバのロゴの変遷
スタバのロゴは2011年に「COFFEE」という文字が無くなり、今はこちらのイラストのみのデザインになっています。
当時のスタバ最高経営責任者(CEO)のシュルツ氏はロゴ変更の理由について、「これまでもこれからもコーヒーの会社であり続けるが、スターバックスの名前でコーヒー以外の商品も展開していく可能性がある」とインターネット上で説明しました。
スタバの認知度が世界的に上がったので、わざわざCOFFEEなんて書かなくてもみんな知っているという意味にも捉えられますね!
今のロゴは4代目なのですが、これまでスタバは次の通りにロゴをブラッシュアップしてきました。
最新のロゴも初期の茶色いデザインを踏襲していることはなんとなくお分かりいただけると思いますが、どんどん女性らしきキャラクターが拡大されてきているのが見て取れますね。
最終的には顔の部分だけになっちゃうんじゃないのー?なんていう噂も一部では流れているくらいです(笑)
がしかし、この噂にはあながち否定できない事実があります。
スタバ本社に行けばそのヒントがあるということなので、実際に行ってみちゃいました!!(Googleストリートビューでw)
なななんと!!!
(秘密結社フリーメイソンとの関係説はこの記事では省きます。)
これは未来のロゴが楽しみですね!
「信じるか信じないかは、あなた次第です。」
それではそもそもこのロゴに描かれている女性らしきキャラクターが一体何者なのかというお話をしましょう。
スタバのロゴの女性の正体は?
そもそもスタバのロゴの女性が何者かというと、なんとギリシャ神話に登場する“セイレーン”というモンスターです!
ギリシャ神話の中では、セイレーンは島をすみかにして、その美しい歌声で船乗りたちを魅了して、島に引き寄せて次々に遭難や難波に遭わせた恐ろしい存在とされています。
(※ちなみに柳沢慎吾さんもネタにしているパトカーや救急車の“サイレン”の語源は、セイレーンです。本当です。笑)
セイレーンはもともと上半身は人間の女性で下半身は鳥の姿とされましたが、後世になるにつれ人魚や海の妖精ネーレーイスなどと混合され、下半身は魚の姿だと信じられていきました。なのでウロコのようなものがあります。
こちらはニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されているセイレーンの銅像ですが、まさに初期のスタバのロゴそっくりですよね!
スタバのロゴデザインの由来
ではなぜコーヒーとは一見関係のないもの、それもモンスターがロゴに描かれているのか?
スタバはイチローのいるアメリカの港町シアトルで誕生した企業ですが、スタバ創業メンバーの一人だったテリー・ヘクラー氏が当時コーヒーや港町シアトルの歴史を探っていたところ、ノルウェーの木版画に描かれているセイレーンを見つけたことに由来します。
そしてコーヒーもセイレーンのように魅惑的なものだからということで、ロゴデザインに採用したと言われています。
しかしサイレーンが採用された本当の理由、それはサブリミナル効果を狙ったからです。
この初期のロゴですが、うすうすお気付きの方もいると思いますが、女性が脚を広げている姿を連想させますよね。
そして初期のデザインをデフォルメした2代目のこちらのロゴになると、案の定「卑猥だからロゴを変えろ!」というクレームがかなりたくさんあったと言います。
確かに、違うと言われてもちょっとアウトのように見えますよね・・・(笑)
スタバは1987~1992年の5・6年もの間この2代目ロゴを採用した後で、次のロゴではその表現を控えめにしました。
ロゴを変更してもなお、女性の開脚を本能的に連想させるデザインが計算されているので、今なお誰もが無意識に気になってしまうということです。
スタバのロゴに隠されたもう一つのもの
そして、スタバのロゴにはもう一つ、あるものが隠されています。
こちらが最新のデザインですが、セイレーンの顔とその左右のユラユラした髪の毛と思われる箇所をよーく見てみてください。
この部分です。
何かを連想しないでしょうか?
あ、今回は性的なものではありません(笑)
そうです。ノルウェーの画家ムンクの『叫び』です。
※ちなみに日本では『ムンクの叫び』という作品名だと誤解されがちですが、エドヴァルド・ムンクという画家の『叫び』(英語では『Scream』)という一つの作品です。
「二人の友人と外を歩いていると、太陽が沈み始めた。見る見るうちに空が血のように赤く染まる。私は疲れを感じて立ち止まり、フェンスにもたれかかる。蒼黒いフィヨルドと街の上空が血と炎で彩られる。友人たちは歩みを続ける。私はそこに突っ立ったまま不安に身を震わせる。自然をつんざく終わりのない叫びを感じて」
(オスロ市立ムンク博物館『叫び』の説明文より)
この説明を読むと、この描かれている人自身が叫んでいるのではなく、何かしらの外の「叫び」に恐れおののいているということでしょうか。
話が逸れましたが、このムンクの『叫び』という作品は、観る者にある種の強迫観念を植え付ける効果があるとも言われています。
確かになんとなくトラウマになりそうな、怖い印象を受けます。
スタバのロゴのもとになったセイレーンの木版画とムンクの「叫び」、どちらもノルウェーという国に由来しているというところに何かまた意図があるような気がしますが、
①セイレーンの開脚による性的表現
②ムンクの「叫び」による強迫観念
インパクトのあるもののダブルパンチにより圧倒的なサブリミナル効果を生み出し、「他のコーヒーチェーンを選ぶくらいなら、スタバに行こう」という気持ちにさせているということでした。
僕は素人なので分かりませんが、デザインというのはきっとかなり奥の深い世界なんですね。
ディズニー
特に女性ファンの多いディズニーアニメーションも、世界のファンを獲得するために昔からサブリミナル効果をかなり駆使してきたと言われています。
賛否両論あるとは思いますが、いくつか画像を貼っておきます。
塔の上のラプンツェル×S●X
ライオンキング×女性の後ろ姿
ミニーマウス×男性の?
リトルマーメイドに登場する牧師の下半身
他にも知りたいという方はネットで検索してみてください。
これらは真実は分かりませんが、映画はアメリカ経済を支える大きな産業なので、「どうすれば売れるか」しっかり考えられていることは間違いないと言えるでしょう。
世界歴代興行収入ランキングを見ても分かる通りそのほとんどはアメリカ作品で、ディズニー映画も多数含まれています。
「信じるか信じないかは、あなた次第です。」で有名な関暁夫さんは著書の中で、ミッキーマウスのシルエットそのものがサブリミナル効果を狙ったものなのではないか?とまで言っています。
だから人はディズニーランドに行きたくなり、さらに女性はミッキーマウスの着ぐるみに抱きつきたくなるというお話でした。
抱きつくのが男性よりも女性の方が多い理由は、そこにあるとかないとか。
あえて何なのかは書きませんが、この記事の文脈で判断してください(笑)
知りませんでしたが、関暁夫の「都市伝説」って、もう6まで出てたんですね!
さいごに
というわけで、僕たちがなんとなく好きなものや普段何気なく選んでいるものは、ひょっとすると誰かによってデザインされたものかもしれません、というお話でした。
今回ご紹介したもの以外にも、サブリミナル効果を狙ったものは日常生活の中に多く存在していますので、興味のある方は調べてみてくださいね。
そして、できる限り「なんとなく」と言わず、自分が本当に価値を見出したものを選び、好きになってください!
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